飲み会

ちょっとした親睦会で、夜に居酒屋に行くことになった。
今日は大河ドラマ風林火山で、竜雷太ソニー千葉が死ぬ日であり、事実上の最終回であり、正直なところ一週間前から、夢に見るほどに楽しみにしていた。
それを蹴って参加する飲み会なのだから、心に秘めた気合の入り具合も尋常な物ではない。(大抵こうやって気負うと、ろくなことが無い)


向かい席に座っていた女の子がなかなか素敵な子で、ことあるごとにキレのあるツッコミをしてきてくれる。

「○さん(自分のこと)はいい人ですよね」
「○さんはいじりやすい人ですよね」
「○さんは多分、他人にいいように利用されちゃうタイプですよ。気をつけないと」
「○さんの話のパターンは大体把握できました」(←ここで心が折れた)
「○さんは気を使ってくれてるんだってことはわかるんですけど」
「○さん、かわいそう」
「○さん、頑張れ」


何を喋ったかとか何を食べたかとかはあまり覚えてない。

悪気は無いんだ。悪気は。ていうか悪くないんだ彼女は。
多分、俺も全く悪くないんだ。いや、悪いのかも知れないがそこで自分が悪いと思ってはいけないんだきっと。じゃあ、誰が悪いのかって言ったらやはり誰も悪くなく、そもそも悪い悪くないの次元で話をしているのが見当違いで「まあ、自分は自分以外の何者にもなれないよね。そこは認めるしかないよね」「認めたからって何も変わらないけどね」「失うことから全ては始まるわけで独りぼっちになるためのスタートライン」「認めただけなのに、何を失ったの?」「無意味な受け身の期待とか。根拠の無い自信とか」「確かにそう言うのは失うと益がありそうだなあ」「あるかなあ」「あると思うよ。無きゃ可哀想だ」「そうだよね。○さん、かわいそう」「○さん、頑張れ」「俺は俺を肯定する!」一人会議終了!


一週間は立ち直れないと思う。録画してあった風林火山を見るのは、今度にしよう。