夜の社会奉仕

 冬、道路の表面が凍って車が滑らないよう、路面に塩を撒く夜間バイトをしている。今日はセンター試験らしく、会場に向かう車どもが無事にたどり着けるよう特に念入りに塩を撒けと言う指示が出た。会場の近くだけ撒きまくってもあんまり効果無い気がするが、その辺は考えない。
 人の目に付かないところでこうやって社会に貢献できることにささやかな喜びを覚える自分は、そんなに嫌いじゃない。まあ受験生どもは誰でもいいけどとりあえず頑張れ。君が何気なく使ったであろうその会場へ向かう車道は、実は念入りに塩で清められた道なのだ。歩道は知らん。